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9. β放射性同位体定量測定法としてのラジオルミノグラフィーの再評価

9.5 おわりに

RLG用マイクロプレートの幾何学的効率は端窓型GM計数管のそれとほぼ同じである.普通の端窓型GM計数管(容積30ml)のBGは30cpm前後である.要するに,3日間,20mm真鍮遮蔽箱内で露光するということは,288個の測定試料を,BG が3.7cpmの同数の計数管で4320分間も同時に計数することであり,BASで解析するということは,各計数管に積算されていた計数をプリントアウトさせることである.幾何学的効率が低いとは言え,桁違いに長い計測時間と桁違いに低いBG計数がRLGに優れた検出特性を与えている.GM計数管に始まる,全ての放射能測定法は欧米で開発されたもので,放射化学に籍をおいてきた者として肩身の狭い思いをしてきた.RLGこそ,原理の開発から実用化まで全て国産の技術で,最も理想的なβ放射体の測定法である.国粋主義者ではないが,RLGマイクロプレート法をもっと普及させたいと願っている.

   
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