アイ


アイ(あゐ、藍)はインディカンを含む(山藍は例外)様々な植物の総称である。世界各地で青色の染料として重用されていたが、現在では化学合成したインディゴ染料が工業的にはよく用いられているため、現在栽培されていない場合がほとんど。


タデアイ

綱: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱: ナデシコ亜綱 Caryophyliiidae
目: タデ目 Polygonales
科: タデ科 Polygonaceae
属: タデ属 Persicaria
種: タデアイ tinctoria
学名:Persicaria tinctoria
和名:タデアイ、蓼藍
英名:indigo plant

タデアイ(中国語:蓼藍)は、タデ科の一年生植物。タデ藍または藍タデともいう。外形はイヌタデによく似ているが、アイは葉を傷めると傷口が藍色になる。茎は高さ50〜70cmになり、よく枝分かれする。葉は幅の広い被針形(竹の葉のような先端が尖り基部のやや広い形)をしている。原産地は東南アジアから中国。葉は藍色色素の原料となる他、乾燥させて、解熱、殺菌の漢方薬としても用いられる。

藍染めは奈良時代から続く歴史があり、藍による染色を愛好する人もいる。海外では”Japan Blue”、藍色を指して”Hiroshige Blue”と呼ばれることもある。染色には生葉染め、乾燥葉染め、すくも染めがある。生葉染めには、最も古い方法である布に生葉をそのまま叩きつけて染める叩き染めか、すり潰した汁で染める方法がある。濃く染まらない、葉が新鮮なうちでなければ染色できない(インジカンがインジゴに変化して利用できなくなるため)といった欠点がある。 乾燥葉染めは、アイ葉を乾燥させたものを用いる方法。そのままでは色素が繊維に沈着しないので、還元反応を行って色素の沈着ができるようにしなければならない。生葉に比べて無駄なく染色でき、時期もあまり選ばない。 すくも染めは、乾燥したアイ葉を室のなかで数ヶ月かけて醗酵させてすくもを造り、更にそれを搗き固めて藍玉を作り、これを利用する方法である。生産に高度な技術と手間を必要とするため、現在では徳島以外で日本産のすくもを見ることはほぼない。染色には、藍玉(すくも)を水甕で醗酵させてから行う(醗酵すると水面にできる藍色の泡を「藍の華」と呼び、これが染色可能な合図になる)ので、夏の暑い時期が最適である。すくもの利点は、いつでも醗酵させて染色できること、染料の保存が楽なこと、木綿にも濃く染められることなどが挙げられる。

藍染は、徳島平野で行われるものが有名である。

日本に存在するアイの品種は、小上粉(こじょうこ)(赤花、白花があり、最も栽培されている)、小千本(こせんぼん)(青茎、赤茎があり、株が真っ直ぐに育つ)、百貫(ひゃっかん)(大量に収穫できる事からの名だが、品質は劣ると言われる)などがある。

歴史
日本には6世紀頃中国から伝わり、藍色の染料を採る為に広く栽培された。特に江戸時代に阿波で発達し、19世紀初めには藍玉の年産額15万〜20万俵を誇った。しかし、明治時代に入ると藍玉がインドから輸入され作付が激減し、またドイツで人工藍の工業化が成功して1904年ごろから盛んに輸入されるようになり、現在ではほとんど栽培されなくなった。

(ウィキペディアより)

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